2022年度の西南学院大学同窓会総会は7月1日、西鉄ソラリアホテル福岡で開催されました。新型コロナウイルス感染拡大が終息しないなか、あえて対面式での実施でした。感染防止の観点から、参加者を限定したうえで出し物や懇親会はなし。例年の同窓の語らいや賑やかな思い出話での盛り上がりも今回は涙を呑んで見送り、一方で、同窓会の今後について意見交換の場としました。
総会に先立ち、岩﨑文正会長は「昨年秋にいくつかの地域支部を訪問したが、やはり同窓会は集い絆を保つことが大事だと痛感した。コロナ禍にあって、どう実現するのかという思いで開催にこぎつけた。若い人の参加を増やせるかなど課題についてのご意見をぜひ伺いたいと」と挨拶。また今年限りで退任が決まっているG.W.バークレー学長からは目下学院が取り組んでいる教育課程見直しについても触れながら「学院の発展には同窓会の役割がとても大事だ」との祝辞を頂きました。
今年の定期総会を、「参加者限定」「懇親なし」としてまで対面式開催を“強行”した背景には、岐路に立つ同窓会活動の今後の行方を探る作業に一日も早く着手したいという思いがありました。
新卒者の同窓会入会辞退者の歯止め策、同窓会の若い担い手の確保、在学生やその父兄との連携の強化、定期総会の効果的な運営など、待ったなしの課題について、自由に意見やアイデアを出し合い、新たな方向性を探ろうという狙いでした。
職域支部と諸団体から選ばれた出席者は約140人。同窓会の「準会員」と位置づけられる在学生4人も参加しました。会議は、数人のグループに分かれたテーブルで自由に意見を出し合い、一定の時間を経てメンバーが入れ替わるという「ワールド・カフェ」という手法で実施しました。テーマは「若い同窓の参加を増やし、さらなる活性化に道を開く」。テーブルはいずれも熱く盛り上がり、時間が足らないテーブルもある等、出されたアイデアは22項目にのぼりました。一部を紹介すると、
①在学生(あるいは新卒者)への就職サポート
②同窓会の役員や職域、地域支部の担い手の若返りと育成
③若い会員が参加(リピート)しやすいイベントの開催
④各支部の強化のためLINEなどSNSの活用
⑤定期総会を母校である大学キャンパスで開催
など多岐にわたりました。
また、総会と前後して職域支部へ出向き、あるいはメールなどで取り寄せた意見の多くは「本部、地域、職域支部の若い担い手の育成」を最重要テーマに掲げると同時に、①会員構成の現状に応じた支部の再編・再構築(卒業生が増えている事業所の新たな支部立ち上げなど)の推進②「福岡支部」(仮称)など従来の支部の枠にこだわらない異業種交流的な集まりの場の結成③定期総会や各種イベントなどは前例にとらわれない内容の検討④「正・副会長、理事、監事会議」など協議機関への若手会員投入と活性化、といった声が寄せられています。
直面する課題はいずれも一朝一夕に片付くものではありませんが、コロナ禍にあっても改善の作業を中断するわけにはいきません。それぞれの回答を得るまでには、さらに時間が必要ですが、今回の総会で出された意見やアイデアを参考に、課題を整理したうえで、来年度の活動方針として提案したいと考えています。