ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

西南学院 同窓会報NO.82

11Time to look back and move forward Seinan, Be True To Christ!SEINAN GAKUIN[高校]同窓生だより・お知らせ情報田村靖邦昭和37年卒味酒安則(みさけやすのり)昭和47年卒同窓生だより多士済々な西南生。今回は神職に就いておられる同窓生を紹介します。講話などでいろいろなところにお邪魔する際の私の自己紹介は、「西南学院高校に通い、賛美歌をうたいながら神主の道に進みました」という言葉から始まります。お宮の息子でしたが、キリスト教である西南学院高校の教えに違和感はなく、多くの友達にも恵まれてのびのびと学生生活を送りました。高校を卒業してもう五十三年経ちますが、今でも賛美歌はいくつか歌えますし、仲間と過ごした日々は鮮明に残っております。当時の西南学院高校はまだ男子校だったので、男同士悪さをしながらよく遊び、よく笑い、よく叱られたものです。一番記憶に強いのは、大学のランキンチャペルで行われた伝道集会でのことです。私が怠け心で、賛美歌を鼻歌であてずっぽうに歌っていたところ、先生に気付かれ、ロビーに正座させられました。大勢の西南学院大学の学生の視線を浴びながら、「お前はお宮のスパイか!?」とめいっぱい往復ビンタの洗礼をいただきました。とても恥ずかしかったですが、高校生という多感な時期にそうやって叱られることで、「ここまではやっていいがここから先はやってはいかん」という線引きを教わりました。そして何よりも、自分を教え導き、支えてくださる周りの方々へ「感謝の心を持つ」という、人としての在り方を学んでいった高校生活でした。現在私は筥崎宮の宮司(五六代目)をしておりますが、筥崎宮もおかげさまで、この地に鎮座し今年で一〇九二年になりました。創建の時期については諸説あり、古録によれば平安時代の中頃である延喜二十一年(西暦九二一年)、醍醐天皇が神勅により建立を始め、延長元年(西暦九二三年)に創建、遷座されたと伝えられてます。創建後は、祈りの場として、また海外との交流の門戸としての役割を果たしてきました。山笠の始まりを作った聖一国師が、かつて唐から帰国する際に大しけにあったとき、「八幡大菩薩筥崎宮、我を博多に帰したまえ」と祈り、無事帰国できたといわれます。鎌倉時代以降は大内義隆、豊臣秀吉などの武将や、福岡藩初代藩主黒田長政、以下歴代藩主などにより、武神として篤い崇敬を受けました。一般の方々からは、自分に勝つ、勝負に勝つなど、なにかのときのここ一発にご参拝いただいております。ソフトバンクホークスも、そして今は懐かしい西鉄ライオンズの頃から必勝祈願に参拝され、三連覇の時は、お礼参りの後筥崎宮から優勝パレードをしておりました。また、アビスパ福岡や各学校の部活動の必勝祈願に足を運んでいただくことで、みなさまが活気づくと同時にお宮も相乗効果でお力を受けております。いよいよ来年百周年を迎える西南学院ですが、創立当時は想像を超えるさまざまな困難があったと思われます。創立者C.K.ドージャー先生の情熱や意気込みに共鳴する方々の存在や、地域の協力がなくては西南学院がこの地に根付かなかったことでしょう。「伝統」という言葉は、多くの方々の支えがあったことを意味します。筥崎宮も、まさにその時代その時代の地域の方々のお力のおかげで今日までやってくることができました。これからも「感謝の心を持つ」という西南高校での教えを胸に、地域の方々の祈りに寄り添わせていただきたいと思っております。高校時代を振り返ってまず思い出すのは個性的な先生たちのことです。その中でも特に印象に残っているのが美術の寺田先生です。ある日、クラス一同で花瓶をスケッチさせられたことがありました。同じものをスケッチしているはずなのに、それぞれまるで違った絵になっていることに驚きました。物事の捉え方や表現は千差万別で人にはそれぞれ個性があるということを気付かされたことを鮮明に覚えています。今はとかく受験科目を中心としたいわゆる知育に偏りがちですが、宗教をはじめ美術、体育、書道なども価値観や集中力をはじめ人格形成上とても大事な科目で、当時の先生たちから多くのことを教わったように思います。部活は文芸部に所属しており、当時の西南という雑誌に「室町幕府」と「奈良仏教」について投稿する機会がありました。その際、ある同級生に知識と文章力がすばらしい!君はきっと偉大になる!と編集後記でほめられたことがありました。この時、友人がほめてくれたこと、好評を得たことが書きごとの道に入るきっかけになったと感じています。ほめられることは心の栄養であり、その人が元来持っている才能が発芽するきっかけとなるのではないでしょうか。西南といえば蔦の絡まるチャペルが思い出されます。そこには神の存在を感じる荘厳な雰囲気と人生の礎となる宗教感との出会いがありました。私はキリスト教ではなく神道を目指して今の神職に就きましたが、きっかけとなったのは西南で出会った宗教観、例えば、精神性、ものの善悪、道徳観、宗教の持つ力、言葉ではなく心で納得することなどであり、それらに触れ初めることによって、まさに人生において上り框(かまち)を上ることができたと感謝しています。さて、菅原道真公を祀る太宰府天満宮の歴史は平安時代まで遡りますが、この間、天満宮のあり方も時代とともに様々な変化を遂げてきました。実は、現在、学問の神様として有名ないわゆる天神信仰も、農耕の神、正直の神、連歌の神、お茶の神、手習いの神、忠誠の神などその時々で変遷を遂げてきました。また、神主の役割も変化しています。かつて江戸の国学者いわくは「神主は言挙げせず」(言葉ではっきりと説明しない)でしたが、今や「言挙げすべし」です。一例を挙げれば、核家族化が進む中、お宮参り、七五三、鯉のぼりなどの年中行事の意味を知らない人たちが増えていますが、それら伝統行事の持つ本来の意味を祖父母世代に成り代わって、今の時代の人たちに伝えていくことも大切な役割だと考えています。そこで、一〇〇周年を迎えるにあたり、西南学院も時代とともに変化を求めるべきであり保守的になるべきではないと思います。変化を恐れずに時代に即応しながら守るべきものと変えるべきものとをしっかりと見極めることが大切ではないでしょうか。最後になりますが、日頃から西南出身者が多方面で活躍する姿を目にする度に西南バリがんばりようね!と、とても誇らしく思っています。わが母校西南のますますのご発展と皆様のご活躍を心よりお祈り致します。西南学院中学校・高等学校の入学試験に関する情報です。ご存知ですか、入試に関して中学校・高等学校の同窓会員の子・弟妹に対し、特別選考の制度があることを!中学校入試、高等学校専願入試、前期入試、後期入試への各出願とは別に、同窓会事務局を窓口とした特別選考制度が運用されています。各年度毎に学校より学生・生徒募集が公開された後、同窓会では毎年一二月上旬に中学校同窓会、高等学校同窓会ホームページ上で該当年の特別選考手続きを公開しています。太宰府天満宮禰宜総務統括部長兼文化研究所主管学芸員太宰府天満宮創始、味酒安行公より四三代目の社家を継承。福岡女子短期大学客員教授西南で学んだこと感謝の心特別推薦入試制度“”“”“””““”“”第五六代筥崎宮宮司●実際の手続き方法は同窓会事務局室(大学東キャンパス校地内・西南コミュニティーセンター1F)電話092・831・7048に、親子関係、弟妹関係を証明する書類(住民票など)と印鑑を持参され、所定の備え付け書に記入押印のうえ、同事務局に提出してください。手続き方法は簡単ですので、ぜひともご活用ください。お知らせ情報キラリ!